おはようございます。管理栄養士のおかし3です。
みなさん、マクドナルドは食べますか?
私は食べます。
「管理栄養士のクセに体に悪い食べ物を食べるのか!?」
というご意見が出そうですが、管理栄養士だからといって常に健康的なものばかり食べているわけではありません。
そもそも、
マクドナルド=健康に悪い
というのは、世間に植え付けられたイメージなのではないでしょうか。
そこで今回は『マクドナルドで健康的な食事を摂ること』を目標に、おすすめのセットメニューの組み合わせを考えていきたいと思います。
※2022年1月更新
- 目標とするエネルギーと栄養素
- セットメニュー(バリューセット)の仕組み
- 脂質の少ないバーガーメニューの栄養価
- サイドメニューの栄養価
- ドリンクメニューの栄養価
- 健康的なおすすめセットメニューはこれだ!
- マクドナルドは健康なのか
- 最後に
目標とするエネルギーと栄養素
今回、目標として設定するのは
- エネルギー(kcal)
- たんぱく質(g)
- 脂質(g)
- 炭水化物(g)
- 食塩相当量(g)
とし、具体的な数値の設定は『日本人の食事摂取基準(2020年版)』を基に設定します。
ビタミンやミネラルまで目標設定したいところですが、達成できないのでやめます(断言)。
18~49歳男性の給与栄養目標量:1日当たり
今回の対象者は18~49歳男性、事務職(身体活動レベルⅠ)とします。
この場合、1日あたりの目標量は
- エネルギー:2,300kcal
- たんぱく質:75~110g(エネルギー比13~20%)
- 脂質:50~75g(エネルギー比20~30%)
- 炭水化物:290~370g(エネルギー比50~65%)
- 食塩相当量:7.5g
となります。
脂質はエネルギー比で20~30%の範囲で設定できるのですが、メニューの選択肢を広げるために上限値を採用しています。
18~49歳男性の給与栄養目標量:1食当たり
さらに今回は、『1日の食事のうち昼食をマクドナルドで摂取すること』を前提に話を進めていきます。
3食均等に摂取するのであれば、上記の1日量を1/3(33%)すればいいのですが、『マクドナルドで昼食』ということを考慮し、『1日目標量の40%を満たす』ことを目標とします。
したがって、
- エネルギー:920kcal(未満)
- たんぱく質:30g(以上)
- 脂質:30g(未満)
- 炭水化物:148g(未満)
- 食塩相当量:3.0g(未満)
となるように、セットメニューの組み合わせを考えていきます。
ちなみに、たんぱく質のみ(以上)となっている理由は、摂取不足からの回避を目的としているからです。
たんぱく質以外のエネルギーや栄養素については、習慣的に過剰摂取すると生活習慣病の発症リスクが上がるため、上記の値を上回らないようにしていきます。
セットメニュー(バリューセット)の仕組み
マクドナルドのセットメニューは、
- バーガーメニュー
- サイドメニュー
- ドリンクメニュー
の3つを組み合わせたものです。
脂質の少ないバーガーメニューの栄養価
バーガーは全体的に脂質が多いのが特徴です。
例えば私の好きなてりやきマックバーガーは
- エネルギー:478kcal
- たんぱく質:15.5g
- 脂質:30.2g
- 炭水化物:36.4g
- 食塩相当量:17g
こんな感じになっておりまして、これだけで脂質の上限ギリギリです。
バーガーメニューには多数種類がありますが、サイドやドリンクも組み合わせることを考えると、
脂質20g以下のバーガー
を選んだ方がよさそうです。
具体的には以下のバーガーが対象になりますので、脂質含量の少ない順に紹介していきます。
ハンバーガーの栄養価
- エネルギー:256kcal
- たんぱく質:12.8g
- 脂質:9.4g
- 炭水化物:30.3g
- 食塩相当量:1.4g
マクドナルドといえばハンバーガーですね。
シンプルなバーガーゆえに脂質の量はかなり少なめです。エネルギーもかなり低いため、これ1個だけだと逆に栄養不足になりそうです。
チーズバーガーの栄養価
- エネルギー:307kcal
- たんぱく質:15.8g
- 脂質:13.4g
- 炭水化物:30.8g
- 食塩相当量:1.9g
チーズを挟んだチーズバーガー。個人的に好きなバーガーです。
栄養価はハンバーガーを底上げしたような数値になります。
フィレオフィッシュの栄養価
- エネルギー:323kcal
- たんぱく質:14.4g
- 脂質:13.9g
- 炭水化物:35.8g
- 食塩相当量:1.6g
魚が食べたいならフィレオフィッシュを食べればいいじゃない。
フライでタルタルソース使ってる割に脂質が少ないですね。意外です。塩分が少ないのもGood。
チキンクリスプの栄養価
- エネルギー:345kcal
- たんぱく質:14.0g
- 脂質:15.5g
- 炭水化物:37.7g
- 食塩相当量:2.2g
チキンクリスプ、そういえば私食べたことないんですよね。おいしいのかな?
脂質が少ないのはいいんですが、たんぱく質がちょっと少ない気がします。
えびフィレオの栄養価
- エネルギー:395kcal
- たんぱく質:12.5g
- 脂質:17.4g
- 炭水化物:47.7g
- 食塩相当量:2.3g
エビがもりもり入っているエビフィレオ。
入ってるエビの量の割にたんぱく質が少なめですね。
炭水化物の値が他のバーガーより多めなので、もしかすると衣が分厚いだけで、エビが入っている感が強いだけなのかもしれません。
スパイシービーフバーガー(スパビー)の栄養価
- エネルギー:329kcal
- たんぱく質:12.8g
- 脂質:18.4g
- 炭水化物:28.3g
- 食塩相当量:1.7g
スパイシーな牛肉を使ったスパビー。
全体的に控えめな栄養価です。
食塩が少なめなのはGoodですが、たんぱく質が不足しそうですね。
エッグチーズバーガー(エグチ)の栄養価
- エネルギー:387kcal
- たんぱく質:22.3g
- 脂質:18.9g
- 炭水化物:31.0g
- 食塩相当量:2.1g
タマゴが嬉しいエグチ。
このバーガーの栄養価、かなり優秀にみえます。
肉に加えて卵を使用しているので、たんぱく質がしっかり摂取できます。
その割に脂質が抑えられているんですよねー。この理由は恐らく、卵は卵白メインであること、ソースにマヨネーズ系を使用していないことじゃないでしょうか。
スパイシーチキンバーガー(スパチキ)の栄養価
- エネルギー:386kcal
- たんぱく質:14.2g
- 脂質:19.7g
- 炭水化物:38.3g
- 食塩相当量:2.6g
スパビーの鶏肉バージョン。
塩が! 塩が多いよ!!
サイドメニューの栄養価
サイドメニューは、
- マックフライポテト
- チキンマックナゲット
- サイドサラダ
- スイートコーン
から1つ選びます。
マックフライポテト(M)の栄養価
- エネルギー:410kcal
- たんぱく質:5.3g
- 脂質:20.6g
- 炭水化物:51.0g
- 食塩相当量:0.8g
マクドナルドといえばポテトですよね。細くて塩加減が店によって違うのが特徴です。
いやー、予想してましたが脂質が多いなぁ。まぁ、炭水化物と脂質の塊みたいな食べ物だからしょうがないですね。
チキンマックナゲット(5ピース)の栄養価
- エネルギー:270kcal
- たんぱく質:15.8g
- 脂質:17.2g
- 炭水化物:13.1g
- 食塩相当量:1.3g
バーベキューソース派です。
ポテトと違ってたんぱく質が摂れるのが強みです。でも思ったより脂質が多いですね。揚げ物の宿命でしょうか。
サイドサラダの栄養価
- エネルギー:10kcal
- たんぱく質:0.5g
- 脂質:0.1g
- 炭水化物:2.3g
- 食塩相当量:0.0g
草の塊なので、低カロリー低栄養。摂取エネルギーを低くしたければ、これを選ぶしかありませんね。しかしマクドナルドでサラダ、選ぶ人おるんかな?
今回はビタミン、ミネラルを栄養価に含めてはいませんが、このサラダに含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維は大して多くありませんのでご安心ください(?)
えだまめコーンの栄養価
- エネルギー:83kcal
- たんぱく質:5.2g
- 脂質:3.0g
- 炭水化物:9.6g
- 食塩相当量:0.2g
たんぱく源となる枝豆と甘くておいしいコーンの組合せ。
サラダ選ぶくらいなら、えだまめコーン選ぶな、私。味的な意味で。
食物繊維も摂れるよ(2.9g)!
ドリンクメニューの栄養価
ドリンクメニューはいろいろあるけど、全部検討するのは面倒くさいので超個人的に3つピックアップしてみました。
爽健美茶・コカコーラゼロ(M)の栄養価
- エネルギー:0kcal
- たんぱく質:0.0g
- 脂質:0.0g
- 炭水化物:0.0g
- 食塩相当量:0.0g
水かな?
コカコーラゼロはジャンク感を味わいたいけど、エネルギーを制限したい場合に役立ちそうですね。
ミニッツメイド・オレンジ(M)の栄養価
- エネルギー:143kcal
- たんぱく質:3.3g
- 脂質:0.0g
- 炭水化物:33.8g
- 食塩相当量:0.0g
- (ビタミンC:133mg)
100%オレンジジュース。
特筆すべき点は、ビタミンが100mg以上摂れること。1日推奨量を満たせる! すごいぜ!
健康的なおすすめセットメニューはこれだ!
ということで長々と書いてきましたが、改めて今回の目標を確認しておきます。
- エネルギー:920kcal(未満)
- たんぱく質:30g(以上)
- 脂質:30g(未満)
- 炭水化物:148g(未満)
- 食塩相当量:3.0g(未満)
この値を満たせる(近づく)ようなセットを考えてみました。
A案:目標値優先型
バーガー:チキンクリスプ
サイド :えだまめコーン
ドリンク:ミニッツメイド・オレンジ(M)
- エネルギー:571kcal
- たんぱく質:22.5g
- 脂質:18.5g
- 炭水化物:81.1g
- 食塩相当量:2.4g
目標はすべて満たしております。
エネルギー量もそこまで多くないので、仮に成人女性の1食分の栄養価として考えても悪くない数値だと思います。ビタミンCも摂れるし(小声)。
が、えだまめコーンに頼った感じになってしまってるので、ただの数字合わせみたいな印象もありますね。
食べたい! 思える組合せかといわれると、微妙かもしれません。
B案:おいしいバランス型
バーガー:エビフィレオ
サイド :チキンマックナゲット
ドリンク:ミニッツメイド・オレンジ(M)
- エネルギー:808kcal
- たんぱく質:31.6g
- 脂質:34.6g +3.6
- 炭水化物:94.6g
- 食塩相当量:3.6g +0.6
どう? おいしそうじゃない?
脂質と塩分がオーバーしてるけど、これくらいなら誤差です(断言)。
サイドをナゲットにすることで、エビフィレオの欠点であるたんぱく質不足を補いつつ、脂質を抑える名采配。海鮮も肉も果物も摂れるなんて完璧かな!? なお野菜
ジャンキーなものを食べに来てるんだから、サラダやコーンを頼むのは負けだと思うんですよ。食事は栄養価だけでなく、『食べたいと思えること』が重要です。
C案:ジャンクフード感重視型
バーガー:エッグチーズバーガー
サイド :マックフライポテト(M)
ドリンク:コカコーラ・ゼロ(M)
- エネルギー:797kcal
- たんぱく質:27.6g
- 脂質:39.5g +9.5
- 炭水化物:82.0g
- 食塩相当量:2.9g
ボリュームのあるバーガーが食べたくて、ポテトとコーラで最強のジャンク感を味わいつつ、健康のことも気にしたいワガママな方へ贈る組み合わせです。塩分が少なめなのもポイントです!
ポイントはバーガーをたんぱく質が多くて脂質の少ないエグチにしていることですね。ハンバーガーやチーズバーガーでは物足りない人でも、満腹感が得られるのではないでしょうか。
サイドをポテトにすると、エネルギーと脂質が一気に増えてしまうのですが、そこはコーラ・ゼロで補っていくスタイル。
え? 脂質が割とオーバーしてる?
朝食、夕食で減らしてください(目標の放棄)。
マクドナルドは健康なのか
めっちゃ長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
数字だけ見ると、「意外とマクドナルドいけるやんけ!」と思うかもしれません。
ただ、それは今回、ビタミンやミネラル、食物繊維等を栄養価計算から外しているからなんですよね。
マクドナルド商品はこれらの栄養素が少ない傾向にあるので、継続的に摂取し続けると、ビタミン・ミネラルの欠乏症になる可能性があるかもしれません。
あとは油で揚げた商品が多いので、酸化された脂質の摂取量が増えるのも気になる所です。
たまに食べる分には問題ないでしょうが、毎日食べる料理としての『健康』という評価は与えにくいところですね。
最後に
1食マクドナルドを食べたからといって、すぐに病気になるわけではありません。健康的な食事を1回食べたからって、すぐに健康にはならないのと同じです。
食事というのは日々の積み重ねであり、習慣的な食事内容・摂取量こそが、その人の健康状態を左右します。
この点をお忘れないようお願いいたします。
※各メニューの栄養価は栄養成分 一覧表 | メニュー情報 | McDonald's Japanから引用しています