私、クレーム対応を久しぶりにいたしまして、いろいろ思うことがありましたので書き残しておきたいと思います。
うちの会社は幸いなことに、そんなにクレームを受ける機会がないのですが、その分クレーム慣れしていない部分もあります。
そんなこんなで上手く処理できなかったんですよねー・・・
クレーム内容とその初対応
この度私が受けたクレーム内容は以下の通りです。今回のクレームはメールで送られてきました。
購入した商品の文章中に誤字・脱字があり、読む気が無くなった。お金と時間を無駄にした。やる気もなくなった。
例)
誤:私の好きな食べ物トマトです。
正:私の好きな食べ物はトマトです。
つまり弊社が出版している印刷物に脱字があり、そのせいでいろんなものを失ったという主旨のクレームです。
脱字の原因は弊社の校正ミス、うちの責任です。
なので、定型的な対応ではありますが、謝罪及び今後このようなことが無いよう努める旨を伝えました。
もちろん商品の差し替えを行うことができれば理想的なのですが、
- 既に大量印刷、流通済みであること
- 専門用語や記載内容・意味合いに誤りは無いこと
- 校正ミスは助詞の抜け1箇所で、全体への影響は小さいこと
から、差し替えは行わず、謝罪のみの対応となったわけです。
その後も怒りは収まらず
が、残念なことにこれで解決、とはなりませんでした。
その後も
「失ったやる気をどうにかしろ」
「文章の意味がまったくわからない」
「誠意が伝わらない」
「クレーム対応者(私)を変えろ」
「粗品を送れ」
などのメールラッシュに加え、脱字と関係ない問い合わせが来るようになりました。
具体的には、
「トマトって何?」
のような単語レベルの質問です。それも大量に。
この質問に対して「トマトは野菜です。赤く、酸味があるのが特徴です」のような返答をしても、
「さっぱりわかりません」
の一言。
このような非生産的で、不毛なやり取りが続きました。
どう対応すれば良かったのか
結局、このクレーム案件、現在でも解決していません。
ただ、メールが送られてくる頻度が減りつつあるので、このまま収束することを願っております。
しかしどう対応するのが正解だったのか、今でもよくわかりません。
相手が返金を求めてくれば、それに応じるつもりだったのですが、返金要求はしてこないんですよね。返金を求めていない相手への返金対応は火に油なので・・・うーん、難しい。
クレーム対応をするのは「人」なんです
今回クレーム対応して思ったのは、
とにかく疲れる
ということです。
メール対応だけでこの疲労感なのですから、電話や対面でクレーム処理しなければならない職業の方には頭が上がりません。
このクレームの原因は100%うちの会社です。
印刷物に誤植が生じてしまったことは本当に申し訳なく思いますし、誤植を指摘していただけたことはありがたいと思います。
ただ、今回のように誤植とは関係ない内容で追い討ちをかけられると、対応に困ってしまいます。というか、対応のしようがありません。
謝罪し、対応を考え、時間を割いて返答しても「誠意が感じられない」の一言で済まされてしまうと、とても惨めな気持ちになります。精神が磨り減ります。
比較的メンタルが強い私でも、心の底にヘドロのようなものが蓄積していく感覚があります。
クレーム処理をするのは機械ではありません。
感情をもった人間です。
多分、仮にスムーズに処理できたとしても、生じた負の感情は処理できないと思うんですよ。
批判や攻撃を受け続けると、心が弱り病気になり、元に戻らなくなることだってあるんです。
クレームは悪ではないが
必ずしもクレームが悪とは思いません。
むしろクレームを拾い上げることで、次の製品がより良いものになる可能性が上がります。
でも何らかのクレームを発信するとき、その対応をするのは「人」であることを頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。