学校や公園の遊具である「雲梯(うんてい)」を知っているだろうか。
しかし「雲梯」とは、なかなか素敵な漢字で構成されている。
雲の梯子(はしご)的な意味合いが込められているのだろうか。もし私が、雲梯という遊具を見たことが無いとしたら、この字面からイメージする遊具は「おもしろそう」という印象だ。
だが、実際の雲梯はどうだろうか。正直、おもしろい遊具とはいえない気がする。
雲梯のスタンダードな遊び方
雲梯のスタンダードな遊び方としては、手で梯子を握って前へ前へ進んでいくスタイルのものだろう。小学生の頃の私も例にもれず、このスタンダードな遊び方をしていた。
しかし今思うと、果たしてこれが「遊び」なのかといわれると疑問が残る。雲梯は、滑り台やブランコ、鉄棒などと比べて爽快感が無さ過ぎるのではないか。
腕にかかる負荷を考えると、もはや「遊び」というより「筋トレ」に近い。
雲梯のスリリングな遊び方
友人の中には雲梯からぶら下がるのではなく、雲梯の上に登って、綱渡りのように歩いていく遊びをしている者もいた。
恐らく彼は、「俺はルールに縛られないぜ! 筋トレなんかしないぜ!」というスタンスだったのだろう。柔軟な発想をすることで、雲梯を筋トレ器具から遊具へ生まれ変わらせたのだ。
しかしちょっと待ってほしい。「雲梯の上を歩く」のは、どう考えても危ない。それは小学生でもわかる。
事実、私は友人らが雲梯の上を歩く遊びをしていても、同じことをしたいとは思わなかった。怖かったからだ。足を踏み外してしまったときのことを考えると、スリリングなんて言い方は生温い。もはや拷問器具なのではないだろうか。
雲梯の魅力
ここまで雲梯を貶してきてしまったが、雲梯にも他の遊具には無い良さがあると思う。
それは、遊びの自由度だ。
滑り台やブランコは、いかにもおもしろい遊具だが、遊びの幅は狭い。狭いというか、普通に遊ぶのが一番おもしろいので、大多数が普通に遊ぶ。
それに比べ雲梯は、残念ながら普通に遊ぶとおもしろくない。
だから
- 普通にぶら下がって進む(筋力トレーニング)
- スリリングに上を歩く(拷問・度胸試し)
- 両サイドから進行し、ぶつかった所でジャンケン(戦)
などの遊びが、こどもの柔軟な発想によって生み出されるのだと思う。
雲梯をおもしろい遊具にするのも、辛く退屈な遊具にするのも自分次第なのだ。