「脂肪と糖の吸収を抑える」
を謳い文句に販売されているチョコレート『LIBERA リベラ』
でも、チョコレートって脂肪と糖が多い食品じゃないですか。
これを食べることで、「脂肪と糖が減るよ」みたいこと言われてもイマイチ納得できませんよね?
ということで、管理栄養士である私がいろいろ調べてみました。「LIBERA リベラ」について。
リベラの原材料:機能性成分は難消化性デキストリン
原材料名:砂糖、カカオマス、全粉乳、難消化性デキストリン、植物油脂、ココアバター、水あめ/乳化剤、光沢剤、香料
ちなみに原材料名って、使用重量の多い順に記載するルールになってるんですよ。
ということは・・・
砂糖が一番多いな!?
ま、まぁ甘いからね。当然といえば当然ですが。でも、甘味料で甘さをごまかしてないのは、好感度高いですよ。
このなかの難消化性デキストリンという物質が、いわゆる食物繊維的な成分でして、こいつが脂肪と糖の吸収を抑えることに一役買っているわけです。
リベラの栄養成分表示
栄養成分表示1袋(50g)当たり
エネルギー:262kcal
たんぱく質:3.0g
脂質:17.7g
炭水化物:27.7g
ー糖質:20.2g
ー食物繊維:7.5g
食塩相当量:0.1g
チョコレートなのにも関わらず、この食物繊維(難消化性デキストリン)の量は好感度が高いですね。
それ以外の栄養成分は、
普通のチョコレートとほぼ同じですね。
つまり、このチョコ、脂肪と糖を多く含む食品です。
だから、普通に血糖値も上がるし、血中中性脂肪値も上がると考えられます。
リベラの機能性:「脂肪と糖の吸収を抑える」の根拠
機能性表示食品の届出をするにあたって、機能性の評価をしないといけません。
機能性ってのは、この食品では「脂肪と糖の吸収を抑える」にあたります。
で、この機能性の評価の方法には、
- 最終製品を用いた臨床試験(人を対象とした試験)により、機能性を評価している。
- 最終製品に関する研究レビュー(一定のルールに基づいた文献調査(システマティックレビュー))で、機能性を評価している。
- 最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。
の3パターンがあるのですが、この食品の場合、『3.』の方法で評価しています。
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/A165-ippan.pdf消費者庁HP
つまり、機能性関与成分は難消化性デキストリンなので、
「難消化性デキストリンには、脂肪と糖の吸収を抑える効果がある」
「このチョコには、難消化性デキストリンが入っている」
「ゆえに、このチョコには、脂肪と糖の吸収を抑える効果がある」
っていう論理展開なんだけど・・・
これ、どうかな!?
できれば最終製品(リベラ)で臨床試験するべきじゃないですかね?
いや、別に3.の方法の信頼性が低いとは言わないんですが、この食品に関してはぜひ臨床試験をしていただきたかった。
多分なんですけど、最終製品を使った臨床試験をする場合、
- 介入群に難消化性デキストリン入りのチョコを食べてもらう。
対照群に普通のチョコを食べてもらう。 - 介入群と対照群と血液検査をして、中性脂肪値の上がり方、血糖値の上がり方を観察する
- 介入群の上がり方が有意に小さい
って感じになると思うんです。
このやり方のほうが、このチョコのすごさを証明できると思うんですよね。
普通のチョコより中性脂肪と血糖値が上がりにくいチョコレート
つまり、このチョコには脂肪も糖も入っているから、当然、中性脂肪値も血糖値も上がるんだけど、難消化性デキストリンが入っているから腸管吸収率が抑えられて、多少上がりにくくなるよ!ってことですね。
で、普通、機能性表示食品とかって、2~3ヵ月間毎日摂取し続けることで、初めて効果が発揮されます。
じゃあ、このチョコを2~3ヵ月間毎日食べ続けたら健康かっていわれると、
違うな!?
だって、脂肪と糖も多いチョコレートを毎日食べたら、
太るよ!? 血糖値上がるよ?
難消化性デキストリンの力で、多少吸収量が抑えられるけど、摂取量をマイナスにしてくれるわけじゃないですからね。
100吸収していたものが80吸収されるみたいな変化です。吸収はされます。
まとめ
- 難消化性デキストリンには脂肪と糖の吸収を抑える機能がある(吸収しないとは言っていない)
- 普通のチョコを食べるより、難消化性デキストリン入りのチョコを食べた方が中性脂肪値と血糖値が上がりにくい(上がらないとは言っていない)
- ただし、毎日食べると太る可能性が高い?
ということになります。
最後に
なんか、リベラを批判するみたいな記事になってしまったんですけど、そういう趣旨ではないんです。
最近、
- 脂肪の吸収を抑える
- 血糖値の上昇を抑える
- コレステロールの吸収を抑える
のような表示をしている食品(特定保健用食品・機能性表示食品)が増えているんですけど、なんかこれが免罪符的に使用されている気がしてならないんですよね。
食生活が乱れててもこれを食べておけばオッケー!
みたいな。
でも、こういう食品はあくまで補助です。
「食生活乱れてる」が100の悪い影響だとすると、健康食品の良い影響って1に満たないレベルしかないです。
つまり、「これを食べておけばオッケー」て食品は存在しないので、
食生活が乱れてる人は、普通に食生活を正そう!